メキシコ 5000年・アボカドの歴史

アボカドはクスノキ科ワニナシ属の常緑樹で、野生のものは30mほどの高さまで育ちます。 1000以上の品種がありますが、日本に輸入されているのは、ハス(HASS)種と呼ばれるもので、皮がごつごつしていて熟すと黒くなるのが特長です。野菜だと思っている人も多いようですが、実は果物の仲間になります。
原産地は中南米。5000年以上も前から栽培されていて、メキシコが世界最初のアボカドの生産地だといわれていますが、正確なことはわかっていません。
13世紀頃にはアステカ族によって栽培されており、ペルーではインカ帝国の王族の墓からアボカドの種が出土しているそうです。
スペイン人が16世紀にインカとアステカを征服したときには、北はメキシコから、ベネズエラ、南はペルーまで栽培されていました。
その後アメリカに伝わり、さらにヨーロッパやオーストラリアなどにも伝播。
19世紀の終わりから20世紀初頭にかけて、メキシコだけでなく、西インド諸島でも栽培されるようになり、その後、様々な品種の栽培もはじまりました。
1963年には、メキシコに初めてのハス・アボカドの商業果樹園が設立。18,000〜20,000本のアボカドが栽培されることによって、ハス・アボカドの生産量はメキシコ国内における他の品種の生産量を逆転することになります。
ハス・アボカドは、その美味しさはもちろん栽培も容易で、輸送や保存に強いという特性も持っています。さらにハス・アボカドの木はコンパクトなため、同じ面積に多くの木を植えることができるというメリットも有しています。
日本にアボカドが伝わってきたのは100年ほど前。とはいえ人気が出たのは最近のことで、日本の輸入量は1990年に2163トンだったものが、2000年14070トン、2014年には57588トンと急増しています。

世界最大の生産地・メキシコ

メキシコは世界最大の生産国にして世界最大の消費国、そして世界最大のアボカド輸出国です。
理想的な気候、肥沃な土壌、専門的な栽培技術という条件がすべて揃っているのは、世界広しといえど、メキシコの大草原だけ。アボガドの木が1年に4回も自然に花を咲かせるということが、メキシコの地がどれだけアボカドの栽培に最適なのかを物語っています。
それゆえに風味からサイズ、食感まで、つねに安定した品質のアボカドを生産することができるのです。。
中でもミチョアカン州の作付面積は107,058ヘクタールもあり、メキシコにおけるアボカドの作付面積の79%を占めています。メキシコ産アボカドの85%以上がそこで生産されており、世界中にアボカドを供給する一大拠点となっています。

アボカドができるまで!

アボカド農家のこまめな手入れによって大切に育てられたアボカドは、地面に落とすと果実が傷つくおそれがあるため、竿を使って木から直接摘み取られます。
アボカド栽培の全過程を通じて厳格な品質管理が義務付けられており、果実が地面に触れた時点で、輸出できないことになっているのです。
収穫されたアボカドは、サンプルを取り出して品質を確認します。そこで厳しい基準をクリアした果実だけが次の工程に進めます。
次の工程では果実を洗浄し、果皮が輝き出すまでブラシをかけたのちに、カメラが搭載された機械の画像分析によって、アボカドの汚れをチェックします。
全ての品質テストに合格したアボカドは、人の手によって木箱に手早く詰められていきます。
収穫したアボカドの中でも最高の果実だけが入念に選別され、温度差の影響を受けない冷蔵コンテナに積み込まれ、世界中の食卓へと届けられているのです。